生まれたばかりの赤ちゃん、話しかけてもなにもわからないだろうなと思うかもしれません。
ところが、赤ちゃんといってもその聞き分け能力は私たちが考えるよりもずっと発達しているのです。
赤ちゃんの言語習得について研究しているパリのフランス国立科学研究センターの認知科学・心理言語学研究所所長、ジャック・メレール博士は、赤ちゃんが生まれてすぐに言葉を聞き分ける能力があると語っています。
博士自身もスペイン出身ながら英語、イタリア語など7カ国語を話すことができることもあり、赤ちゃんが母国語以外の言語をどのように獲得するか(どの時期に、どんな刺激を与えれば効果的に学習できるのか)を意欲的に研究しています。
赤ちゃんの脳機能を調べる上で博士が注目しているのが「光トポグラフィー法」という方法です。
この研究でわかったのは、生後5日以内の赤ちゃんでも「言葉を聞いた時」「何もしない安静状態の時」で明らかに脳の血流量が変わったそうです。
生後5日以内の赤ちゃんがすでに言葉に反応し大脳皮質が活動しているのです。
メレール博士は母国語以外の言語を習得するには早い時期に越したことはないと言います。
これはもちろん“ネイティブスピーカー”を育てるという意味でです。
「せっかく赤ちゃんの時にすでに鋭い言語能力があると分かっているのですから使わない手はありません。年齢を積めばその分機能が弱まっていくのですから」と博士は言います。
メレール博士の研究はまだまだ続きます。