赤ちゃんのうちに絵本を

赤ちゃんに絵本を見せてもわかるのかしら?と思ってあまり読み聞かせの必要性を感じない方もいるかもしれませんが、赤ちゃんのうちにぜひ絵本を読んであげてください。
赤ちゃん、具体的には9ヶ月頃までの赤ちゃんに読み聞かせるといいのです。
というのも言葉の認知作業を9ヶ月頃まで行っているのです。
赤ちゃんは耳で聞いたことを頭に記憶し、それを模倣しながら言葉を発するのです。
ですからまずは聞くということがとても大事なんです。

赤ちゃんにとっては人の話す声は音楽のように聞いているのです。
聞いているうちに話し声がいくつかの音の単位の集まりであることがわかってきます。
もちろん直接語りかけることも大切ですが、同じ音の繰り返しなど絵本に出てくる言葉は繰り返し聞くことによって確実に記憶されていきます。
生後9ヶ月以降になると、それまでに聞いた色々な単語を今度は自分が話し出そうと試みるのです。
生後9ヶ月頃~1歳になる頃までこうした練習を続けます。

赤ちゃんが声を出して笑うようになる時期

赤ちゃんが声を出して笑う姿ってこの上もなくかわいらしいものですよね。
ところで、赤ちゃんが声を出して笑うのはいつからだか知っていますか?
お子さんがいる方はいったいいつ頃だったか覚えていますか?

私は知らなかったのですが、赤ちゃんは生後3ヶ月以前は声を出して笑うことができないのだそうです。
それは発生器官の構造のせいだそうで、3ヶ月以前ではチンパンジーなどのサルとほぼ同じ構造なのだそうです。
3ヶ月未満の赤ちゃんの喉は軟口蓋と咽頭蓋が接し、咽頭壁とともに空気の通り道を形成し、鼻から咽頭に入り、気管を経て肺に至る気道が常に確保されています。
この段階では「あー」「くー」といった発声をしていますが、これは鼻から抜ける「音」でしかないのです。

ところが、赤ちゃんも3ヶ月を過ぎると喉のあたりの骨格がぐんぐん発達して、しっかりした声を発することができるようになります。
そしてこの笑い声はやがて言葉を話す素地となるのです。

語りかけ育児

語りかけ育児ってご存じですか?
1日30分、静かな環境で赤ちゃんに語りかけるだけで言葉や知能指数が驚くほど伸びるというので話題になっています。
この方法は英国の言語治療士サリー・ウォードさんが開発したものです。

0~4歳を対象にして発達レベルに合わせた語りかけのコツがあります。
そのポイントは色々ありますが、以下のようなものがあります。

・生後直後からたくさん話しかける
・気が散らない静かな場所で
・子どもの興味に合わせる
・短い文章で分かりやすく
・ゆっくり大きめの声で赤ちゃん言葉や擬音語、繰り返しを使う

などなど。
やってはいけない禁じ手もあります。

・やたらと答えさせるための質問
・言い直し まねをさせる
・無理に注意を向けさせる

など「しゃべらせるための」工夫は逆効果なのだそうです。

まだ言葉を理解しない月齢の赤ちゃんにとっても「語りかけ」はとても有効なのです。
語りかけは「あなたに興味がある」「私を見てくれるとうれしい」のメッセージを赤ちゃんに送ります。
赤ちゃんの行動やしぐさ、音に丁寧に応じることを繰り返していると赤ちゃんは「自分のやることは相手に反応させる効果がある」と感じるのです。
つまりは「自分は主人公なのだ」と感じ、その自己肯定感覚は自信や意欲につながり、言葉の発達につながるのです。

外国語の学習はいつからがいいの?

先日書いた「生後間もない赤ちゃんも、聞き分ける力がある(2)」でも早期英語教育についてちょっと触れましたが、外国語の習得といえばちょっと気になる方もいるのではないでしょうか?
私の周りでも2歳になってから英語教室に通わせている人がちらほらいます。
本格的な英語教室じゃなくても英語サークルに通っている人や、自宅で英語教材をやっている人も多くいます。
改めて見回してみると小さいうちからの外国語学習が珍しくないものになっています。

私自身は早期の外国語教育が悪いとも良いとも思わないのですが、早期教育のデメリットにも触れてみたいと思います。
まず日本語がおぼつかない段階で英語など他の言語を並行して教えることは子どもの脳を混乱させるだけという意見もあります。
どちらの言葉もまともに話せないのが一番最悪パターンです。
実際、欧米に住む若い日本人夫婦が子どもを現地のベビーシッターに任せきりにしていると「このブックを取って!」「レッツ・イート ご飯」などという子どもが少なくないといいます。
日本語の習得がある程度まで進んでいないと、子どもは複数の言語に対してそれがおのおの「別の言語体系に属するもののひとつ」であることがわからないのです。
そうすると日本語と外国語のルールを混然一体で覚えてしまい、どちらもまともに話せない中途半端の状態になってしまうのです。
もちろん早く外国語に触れれば発音はうまくなるでしょう。
ですが、ネイティブスピーカーのように発音することが果たして重要なのかどうか?です。
それよりも外国人と会話する時に重要なのは、自分の伝えたいことをきちんと伝えられるかどうかの方ではないでしょうか。

例えば日本語の単語の発音がとてもうまい外国人がいたとしてもそれだけでは会話できませんよね?
それよりも外国語なまりがあってもすらすらと日本語を話せる外国人の方がコミュニケーションがうまくとれますね。
発音が流暢であることはさほど重要ではないのだなと思うようになりました
そう考えると外国語を学び始めるのは中学生や大人になってからでも遅くはないのです。

いつ、しゃべり出す? 言葉の発達について

小さなお子さんを持っている方、特に初めてのお子さんをお持ちの方は、いつ自分の子どもがしゃべるのだろうか?と気になったりしたことがあるのではないでしょうか。
私の経験でもありましたが、初めての子の時には同じ月齢の子がどんどんしゃべり出しているのを見て自分の子は一体いつしゃべるのかしら?と気をもんだことがありました^^;
そんな心配をよそに2歳を過ぎた頃には言葉がどんどん出るようになってひと安心したものです。
そんな経験もあって下の子の時にはあまり気にしていなかったのですが、これが1歳も過ぎるとどんどん言葉が出る子だったんですね。
兄弟姉妹でもこんなに差があるものなのだな、とびっくりしたことがありました。

そんな子どもの言葉の発達についてですが、赤ちゃんは生まれ持って言語本能が仕組まれているのだそうです。
練習して言葉を覚えるのはそうなのですが、それよりも前にもともと言葉を習得するための非常に強い本能があり、その本能に基づいて練習しているのだそうです。

その練習のひとつにおっぱいを吸うことがあるようです。
数多くいる哺乳動物の中で人間の赤ちゃんは特異な吸い方をするんですね。
吸ったら休む、という繰り返しです。
赤ちゃんが吸うのを休むとお母さんは「よしよし」と揺すります。
そして赤ちゃんはまた自分からおっぱいを吸い始めます。
生後2週の赤ちゃんと6週の赤ちゃんとではこの繰り返しの時間は変わってきます。
6週の赤ちゃんは一度に乳首を吸う時間が半減し、短いサイクルで数多く反復するようになります。
成長するにしたがって両者の働きかけのタイミングがより精妙になってくるのです。
これはコミュニケーションの原始的な形なのです。
赤ちゃんは相手が何かしている時は待ち、相手が終わったら自分が始めるということを学習するのです。

「あ~、う~」と喃語をしゃべる赤ちゃんに母親は「○○ちゃん」と呼びかけます。
こうした繰り返しで赤ちゃんは自分の語りかけに応答していることを理解します。
よく若いお母さんたちが「0歳の赤ちゃんにどう相手をしてあげたらいいのかわからない」と言ったりしていますが、私も同じようなことを思ったことがあります。
言葉もわからないのに話しかけてもわかるのかな?なんて思ったりしました。
ですが、気にせず赤ちゃんには話しかけたり、絵本を読んでやったり、歌を歌ってあげましょう。
こういうコミュニケーションを重ねることによって、赤ちゃんはお母さんの言葉を記憶にとどめていくのです。
そしてある程度蓄積されたら、ある日自分からそれをしゃべり出すのです。

ベビーサインの心配?

言葉をまだうまく話せない赤ちゃんや小さな子どもとのコミュニケーションでベビーサインが効果的ことはいわれていますが、一方でこんな心配をするお母さんもいるようです。

「ベビーサインばかりになって言葉をしゃべらなくなるんじゃないかしら・・・?」

それは心配ご無用です。
親子を対象に行われた研究調査で、子どもの発達を11ヶ月、1歳3ヶ月、1歳半・・・と8歳まで追跡調査した結果、各時点での子どもの発達具合を調べたものがあります。
それによると、3歳の時点ではベビーサインを使った子どもは使わなかった子どもに比べて会話能力が4ヶ月半ほど進んでいたというのです。

そう聞くと「うちの子にもぜひ!」と、がぜんやる気になったお母さんも多いかもしれませんね^^
でもどの赤ちゃんでもスムーズにベビーサインができるようになるかというと、できる時期にはバラつきがあります。
自らサインをしてくる赤ちゃんもいれば、最初のサインを出すまで2ヶ月かかった赤ちゃんもいるというように、その子によって本当に色々です。
サインを使う時期は赤ちゃんが決めるといってもいいかもしれません。
あまり早い月齢の赤ちゃんに一生懸命教えても、すぐにうまくいかないのは当たり前。
「うちの子はできない」とイライラしてしまっては本末転倒ですよね。

ベビーサインはとても自然で親子の間に温かい関係が築けるものです。
たくさんの親子に広がるといいなあと思います^^
まずは生活の中に1つでも2つでもサインを取り入れてみてはいかがでしょうか?

ベビーサインの効果

ベビーサインはカリフォルニア発といいましたが、ベビーサインを提案したのはカリフォルニア大学デービス校のリンダ・アレクドロ教授とカリフォルニア州立大学スタニスラウス校のスーザン・グッドウィン教授です。
そもそものきっかけはアレクドロ教授の長女のケイトとのやりとりからでした。
ケイトが1歳になった頃に庭のバラを指さしてにおいをかぐまねをしては教授を見つめていたのです。

ケイトは何かを訴えようとしていたのですね。
普段から花を一緒に見ては「きれいな花ね」など話しかけていたせいか、ケイトも「花」ということを伝えたかったのです。
ケイトは他にも「魚」「クモ」などを伝えてくるようになりました。
「言葉は話せないけど彼女も話をしたかった。だからこんなサインを使って伝えようとしたんです」とアレクドロ教授は話します。
他の赤ちゃんも自分の意志を伝えようとしているのではないかという思いから本格的に研究を始めたということです。
国の助成を受けて140組の親子を対象に研究も行いました。

興味深かったのは、ベビーサインを使うグループと使わないグループに分け言語能力や知能の発達を調べた結果です。
結果、ベビーサインを使った子どもは使わなかった子どもに比べて、約6年後の8歳時点でも知能指数が平均12ポイントも上回ったというのです。
それだけ聞いてもなんだかすごい!と思ってしまいますが、なによりも良かった点は親子の関係が深くなったことだったそうです。

子どもからしてみれば自分の気持ちをわかってくれないというのは欲求不満でありストレスなんですね。
それがベビーサインでは解消できるのです。
赤ちゃん時代を終えてもその関係の深さは持続するのですね。
それってすばらしいことですよね。
だから私もベビーサインを取り入れてみればよかったと思うのです。
特に第1子である上の子の時には子どもがどうしてほしいのかがわからずに困ったこともありましたから、そんな時にベビーサインはきっと役に立ったのでしょうね。
だから今赤ちゃんのいる人には伝えたいのです^^

ベビーサインって?

日本でも最近ではベビーサインを育児に取り入れている人が増えてきていますね。
ベビーサインに関する本やベビーサインのレッスンなども行われており、私の周りのママさんたちの中にもベビーサインを習ったり、本を読んで簡単なサインを取り入れている人がいます。
私はというと残念ながらベビーサインは未経験です。
でも知ってみると赤ちゃんのうちにベビーサインをやってみたかったなと思います。

そもそもベビーサインとは、話ができない赤ちゃんと身ぶり手ぶりで“話す”方法のことです。
カリフォルニアを中心にアメリカの家庭や保育園などで赤ちゃんとのコミュニケーションの手段として注目が集まりました。

カリフォルニアのとある保育園でもベビーサインを積極的に取り入れています。
先生たちは常に両手を使ってベビーサインをしながら子どもに話しかけています。
例えばおやつタイム。
みんなより早く食べ終えた1歳4ヶ月の女の子が先生に一生懸命右手の人差し指で左手の手のひらをとんとんたたきます。
それを見た先生は「もっと?もっとね」とおかわりのおやつを差し出します。
女の子がしたのは「おかわり」のベビーサインなんですね。

これは一例で他にもお水が欲しい時、トイレに行きたい時などの様々なサインがあります。
片言しか話せず言葉での会話がまだうまく成立しない幼い子どもたちと先生たちが意思疎通できるのはこのベビーサインの効果といえます。
親たちにも好評で、家に帰ってからもベビーサインでコミュニケーションをとるのだそうです。

赤ちゃんのうちから英才教育する?!

また1歳半の子の話ですが、大学の教授の研究でこんな例もあるそうです。
英語を話す母親と韓国語を話す母親が1歳半の子どもに話しかける様子を観察してみると、英語圏の母親は名詞を多く使い、韓国語圏の母親は動詞を多く使っていたそうです。
そして子どもたちを観察するとやはり英語圏の子どもは名詞を多く使って話し、韓国語圏の子どもは動詞を多く使って話すのだそうです。

そしてそれだけにとどまらず、教授が箱型のおもちゃとバナナのおもちゃをそれぞれ4つずつ机の上に置くと、英語圏の子どもは2種類のおもちゃを分類することが上手だったそうです。
そして韓国語圏の子どもは手の届かない場所にあるおもちゃをくまでのようなもので引き寄せるのが上手だったそうです。
もちろんどちらの子どもも2歳くらいになれば分類することもくまでを使うことも上手にできるはずですが、1歳半など早い段階ではどういう言語を耳にしていたかで認知能力の発達の順番に影響すると考えているそうです。
まだ1歳半で言葉も出始めたばかりの子どもでも周りの人間が話すことに影響を受けて、聞いたことから色々なことを考えているわけですね。

さてこうなるとお母さんの中には赤ちゃんの頃から勉強させた方がいいのかしら?と思う人も出てくるかもしれませんね。
そのような質問を教授にすると、「こういう研究が明らかになるとお母さんの中には9ヶ月の赤ちゃんを特別な塾などに行かせなきゃ、という人も出てくるのです」と苦笑したといいます。
「確かに子どもが小さい時期は大切だけど、発達していく上でプラスになることは、おもちゃを動かしてみたり、犬や電車を見て一緒に指さしてみたり、遊んだり・・・、どれも昔からずっとやってきたことなんです」

何か最近は乳幼児から入れる幼児教室も巷に溢れています。
それらがいけないというわけではありませんが、特別なことをしなくても子どもと向かい合って話したり一緒に何かを見つめたりするだけでいいのだな、とシンプルにそう思うのです。

生後間もない赤ちゃんも、聞き分ける力がある(2)

メレール博士は赤ちゃんの言語習得のカギはその言語環境によるところが大きいと言います。
日本のように単一言語の国というのは珍しいんですね。
インドや中国、米国などでは通常、複数言語が飛び交っていたりします。
親同士が違う言語を話すケースも珍しくないのです。
おのずと赤ちゃんも複数の言語環境に置かれるのです。
こうしてバイリンガルの環境の人は複数の言葉を難なく、モノリンガルの人が一つの言葉を獲得するのと同じ早さで獲得できるというわけです。
メレール博士はさらに脳がどのように機能しているのかを明らかにしたいと語っています。

私はこの話を聞いた時に深くうなずいてしまいました。
そしてその話を聞いて良かったと思いました。
というのも我が子に英語でも習わせようかと考えていた矢先に聞いたからでした。
確かに小さければ小さいうちほど他言語を習得しやすいことはわかりました。
ですが、その環境をこの日本でできるでしょうか?
もちろん私や夫がネイティブ並に英語を話せたらそれが可能かもしれません。
ですが、残念ながら我が家の大人たちはたどたどしい英語しか話せないわけで(苦笑)、この環境でもし英語教室に通ったとしても果たしてネイティブのように話せるようになるのか?
とても疑問に感じてしまい、一旦英語教室のことは白紙に戻しました。

ですが、英語教室を否定するわけではありません。
習わせる目的は人それぞれです。
英語が好きになってもらいたい、など英語に親しむ目的で習わせることはアリですよね。
巷にはありあまる程の英語教材がありますが、たとえDVDでバイリンガル環境に置いたとしても、結局待ち構えている社会は単一言語社会なのです。
ここをふまえた上で他言語教育を考えるといいかもしれません。