ベビーサインって?

日本でも最近ではベビーサインを育児に取り入れている人が増えてきていますね。
ベビーサインに関する本やベビーサインのレッスンなども行われており、私の周りのママさんたちの中にもベビーサインを習ったり、本を読んで簡単なサインを取り入れている人がいます。
私はというと残念ながらベビーサインは未経験です。
でも知ってみると赤ちゃんのうちにベビーサインをやってみたかったなと思います。

そもそもベビーサインとは、話ができない赤ちゃんと身ぶり手ぶりで“話す”方法のことです。
カリフォルニアを中心にアメリカの家庭や保育園などで赤ちゃんとのコミュニケーションの手段として注目が集まりました。

カリフォルニアのとある保育園でもベビーサインを積極的に取り入れています。
先生たちは常に両手を使ってベビーサインをしながら子どもに話しかけています。
例えばおやつタイム。
みんなより早く食べ終えた1歳4ヶ月の女の子が先生に一生懸命右手の人差し指で左手の手のひらをとんとんたたきます。
それを見た先生は「もっと?もっとね」とおかわりのおやつを差し出します。
女の子がしたのは「おかわり」のベビーサインなんですね。

これは一例で他にもお水が欲しい時、トイレに行きたい時などの様々なサインがあります。
片言しか話せず言葉での会話がまだうまく成立しない幼い子どもたちと先生たちが意思疎通できるのはこのベビーサインの効果といえます。
親たちにも好評で、家に帰ってからもベビーサインでコミュニケーションをとるのだそうです。

赤ちゃんのうちから英才教育する?!

また1歳半の子の話ですが、大学の教授の研究でこんな例もあるそうです。
英語を話す母親と韓国語を話す母親が1歳半の子どもに話しかける様子を観察してみると、英語圏の母親は名詞を多く使い、韓国語圏の母親は動詞を多く使っていたそうです。
そして子どもたちを観察するとやはり英語圏の子どもは名詞を多く使って話し、韓国語圏の子どもは動詞を多く使って話すのだそうです。

そしてそれだけにとどまらず、教授が箱型のおもちゃとバナナのおもちゃをそれぞれ4つずつ机の上に置くと、英語圏の子どもは2種類のおもちゃを分類することが上手だったそうです。
そして韓国語圏の子どもは手の届かない場所にあるおもちゃをくまでのようなもので引き寄せるのが上手だったそうです。
もちろんどちらの子どもも2歳くらいになれば分類することもくまでを使うことも上手にできるはずですが、1歳半など早い段階ではどういう言語を耳にしていたかで認知能力の発達の順番に影響すると考えているそうです。
まだ1歳半で言葉も出始めたばかりの子どもでも周りの人間が話すことに影響を受けて、聞いたことから色々なことを考えているわけですね。

さてこうなるとお母さんの中には赤ちゃんの頃から勉強させた方がいいのかしら?と思う人も出てくるかもしれませんね。
そのような質問を教授にすると、「こういう研究が明らかになるとお母さんの中には9ヶ月の赤ちゃんを特別な塾などに行かせなきゃ、という人も出てくるのです」と苦笑したといいます。
「確かに子どもが小さい時期は大切だけど、発達していく上でプラスになることは、おもちゃを動かしてみたり、犬や電車を見て一緒に指さしてみたり、遊んだり・・・、どれも昔からずっとやってきたことなんです」

何か最近は乳幼児から入れる幼児教室も巷に溢れています。
それらがいけないというわけではありませんが、特別なことをしなくても子どもと向かい合って話したり一緒に何かを見つめたりするだけでいいのだな、とシンプルにそう思うのです。

生後間もない赤ちゃんも、聞き分ける力がある(2)

メレール博士は赤ちゃんの言語習得のカギはその言語環境によるところが大きいと言います。
日本のように単一言語の国というのは珍しいんですね。
インドや中国、米国などでは通常、複数言語が飛び交っていたりします。
親同士が違う言語を話すケースも珍しくないのです。
おのずと赤ちゃんも複数の言語環境に置かれるのです。
こうしてバイリンガルの環境の人は複数の言葉を難なく、モノリンガルの人が一つの言葉を獲得するのと同じ早さで獲得できるというわけです。
メレール博士はさらに脳がどのように機能しているのかを明らかにしたいと語っています。

私はこの話を聞いた時に深くうなずいてしまいました。
そしてその話を聞いて良かったと思いました。
というのも我が子に英語でも習わせようかと考えていた矢先に聞いたからでした。
確かに小さければ小さいうちほど他言語を習得しやすいことはわかりました。
ですが、その環境をこの日本でできるでしょうか?
もちろん私や夫がネイティブ並に英語を話せたらそれが可能かもしれません。
ですが、残念ながら我が家の大人たちはたどたどしい英語しか話せないわけで(苦笑)、この環境でもし英語教室に通ったとしても果たしてネイティブのように話せるようになるのか?
とても疑問に感じてしまい、一旦英語教室のことは白紙に戻しました。

ですが、英語教室を否定するわけではありません。
習わせる目的は人それぞれです。
英語が好きになってもらいたい、など英語に親しむ目的で習わせることはアリですよね。
巷にはありあまる程の英語教材がありますが、たとえDVDでバイリンガル環境に置いたとしても、結局待ち構えている社会は単一言語社会なのです。
ここをふまえた上で他言語教育を考えるといいかもしれません。

生後間もない赤ちゃんも、聞き分ける力がある(1)

生まれたばかりの赤ちゃん、話しかけてもなにもわからないだろうなと思うかもしれません。
ところが、赤ちゃんといってもその聞き分け能力は私たちが考えるよりもずっと発達しているのです。
赤ちゃんの言語習得について研究しているパリのフランス国立科学研究センターの認知科学・心理言語学研究所所長、ジャック・メレール博士は、赤ちゃんが生まれてすぐに言葉を聞き分ける能力があると語っています。
博士自身もスペイン出身ながら英語、イタリア語など7カ国語を話すことができることもあり、赤ちゃんが母国語以外の言語をどのように獲得するか(どの時期に、どんな刺激を与えれば効果的に学習できるのか)を意欲的に研究しています。
赤ちゃんの脳機能を調べる上で博士が注目しているのが「光トポグラフィー法」という方法です。
この研究でわかったのは、生後5日以内の赤ちゃんでも「言葉を聞いた時」「何もしない安静状態の時」で明らかに脳の血流量が変わったそうです。
生後5日以内の赤ちゃんがすでに言葉に反応し大脳皮質が活動しているのです。

メレール博士は母国語以外の言語を習得するには早い時期に越したことはないと言います。
これはもちろん“ネイティブスピーカー”を育てるという意味でです。
「せっかく赤ちゃんの時にすでに鋭い言語能力があると分かっているのですから使わない手はありません。年齢を積めばその分機能が弱まっていくのですから」と博士は言います。
メレール博士の研究はまだまだ続きます。

乳児の脳、たった2ヶ月でも大きな進化が!

イギリスにある大英博物館の隣にあるロンドン大学バークベックカレッジ、ここにある「心理学認知発達研究センター」の実験室では赤ちゃんの脳の機能や行動に関する研究が行われています。
1998年に設立されたこのセンターでは20人余りの研究者が様々なパターンの実験を繰り返しています。
実験を受ける赤ちゃんのご両親の理解と協力を得ながら実に年間500人以上の0歳児の赤ちゃんが実験を受けているのです。
そこでわかったのが赤ちゃんの形を認識する力。
モニターに映し出される絵を見せる実験でわかったのは、生後6ヶ月で認識できなかった物体が生後8ヶ月ではしっかり認識していることでした。
この2ヶ月の間に赤ちゃんの脳の中では何かが起きているわけですね。
まあ難しいことはさておき、実際に赤ちゃんを育てているとその成長のすさまじさに驚きます。
1ヶ月経つとだいぶ様子が変わりますし、1日1日進化しているのを感じます。