また1歳半の子の話ですが、大学の教授の研究でこんな例もあるそうです。
英語を話す母親と韓国語を話す母親が1歳半の子どもに話しかける様子を観察してみると、英語圏の母親は名詞を多く使い、韓国語圏の母親は動詞を多く使っていたそうです。
そして子どもたちを観察するとやはり英語圏の子どもは名詞を多く使って話し、韓国語圏の子どもは動詞を多く使って話すのだそうです。
そしてそれだけにとどまらず、教授が箱型のおもちゃとバナナのおもちゃをそれぞれ4つずつ机の上に置くと、英語圏の子どもは2種類のおもちゃを分類することが上手だったそうです。
そして韓国語圏の子どもは手の届かない場所にあるおもちゃをくまでのようなもので引き寄せるのが上手だったそうです。
もちろんどちらの子どもも2歳くらいになれば分類することもくまでを使うことも上手にできるはずですが、1歳半など早い段階ではどういう言語を耳にしていたかで認知能力の発達の順番に影響すると考えているそうです。
まだ1歳半で言葉も出始めたばかりの子どもでも周りの人間が話すことに影響を受けて、聞いたことから色々なことを考えているわけですね。
さてこうなるとお母さんの中には赤ちゃんの頃から勉強させた方がいいのかしら?と思う人も出てくるかもしれませんね。
そのような質問を教授にすると、「こういう研究が明らかになるとお母さんの中には9ヶ月の赤ちゃんを特別な塾などに行かせなきゃ、という人も出てくるのです」と苦笑したといいます。
「確かに子どもが小さい時期は大切だけど、発達していく上でプラスになることは、おもちゃを動かしてみたり、犬や電車を見て一緒に指さしてみたり、遊んだり・・・、どれも昔からずっとやってきたことなんです」
何か最近は乳幼児から入れる幼児教室も巷に溢れています。
それらがいけないというわけではありませんが、特別なことをしなくても子どもと向かい合って話したり一緒に何かを見つめたりするだけでいいのだな、とシンプルにそう思うのです。